実際のカスタムにあたって

カスタムに関する改造申請や基準についてご案内します。

実際の カスタムにあたって

カスタムは改造申請が必要なものと不要なもの、2つに分けることができます。
その基準は部品の取付方法、指定部品と指定外部品、一定範囲の3項目によって決まります。

【1】部品の取付方法

カスタムパーツの装着は、その取付け方によって、そのままでも車検を通る場合と届出や申請、検査が必要な場合とに分類されます。希望するカスタムパーツの取付方法が法律的にどのように分類されるのか確認しましょう。

1簡易な取付方法
ベルクロ(マジック)テープ、粘着テープ、吸盤、蝶ネジなどで固定され、道具を使わなくても簡単に取外しができる取付方法。
2固定的取付方法
ボルトやナット、接着剤、組み込み、挟み込みなど、工具を使用すれば簡単に取外しができる取付方法。
3恒久的取付方法
溶接やリベットなど取外しが容易ではなく、取外すためには特殊な工具が必要となったり、取外すことで他の構造や部品に損傷を与える可能性のある取付方法。

【2】指定部品と指定外部品

1指定部品
1.アクセサリー等の自動車部品
車体まわり関係 空気流を調整等するための部品
  • カウル類
  • ウインド・シール
手荷物等を運搬するための部品
  • ラック類

道路交通法第55条第2項に定める積載の方法に抵触する蓋然性の高いものは、自動車の構造装置として記載事項の変更申請があった場合でも、これを認めないものとする。

その他の部品
  • バンパー・ガード
  • フェンダー・カバー
  • その他カバー類
  • ヘッドライト/フォグライト・カバー
  • その他灯火器カバー類
  • アンダー・ガード
  • その他ガード類
  • 水/泥はねよけ(フェンダー・フラップ)
  • グラブバー
  • バックレスト
  • ステップ
  • クラッチ
  • ブレーキレバー

車体まわり関係の自動車部品を装着することにより、歩行者、自転車等乗員に接触す るおそれのある車体外側表面部位は、外側に向けて先端が尖った又は、鋭い部分が あってはならない。

その他
  • ナンバー取付けステー
  • 任意灯火器類
2.運行に当たり機能する自動車部品
走行装置
関係の部品
  • タイヤ
  • ホイール
その他の部品
  • コイル・スプリング
  • ショック・アブソーバー
騒音防止装置
関係の部品
  • マフラー(消音器)
  • 排気管
その他の部品
  • 規定灯火器類
  • ミラー
2指定外部品
上記以外の部品が該当します。

【3】一定範囲

長 さ ±3cm ±2cm
高 さ ±4cm 重 量 ±50kg

改造申請CHECKフロー

「取付方法」、「指定部品」と「指定外部品」、「一定範囲」の3条件によって、記載事項の変更や構造等変更検査の手続きの要・不要が決まります。

変更内容 寸法、重量の変化
部品の種類、取付方法 一定範囲内 一定範囲超
指定部品 固定的取付方法
恒久的取付方法
指定外部品 固定的取付方法
恒久的取付方法
◎改造申請不要 ●改造申請必要

ここまでのおさらいの意味も込めて、あなたのカスタムをチェックしてみましょう。

分解整備とは

一般的にはモーターサイクルを分解して整備すると「分解整備」という言葉を使っています。しかし、法律用語としての「分解整備」とは以下の17のような整備と運輸省(現国土交通省)通達で定義されています。
主に四輪車の言葉で書かれているため、二輪には分かり難いところがあるので、ワイズギアとしての解釈を合わせて説明します。

1原動機を取り外して行う自動車の整備または改造
エンジンを降ろして行う整備はすべて分解整備に該当します。クランクケースをフレームに載せたままシリンダやシリンダヘッドなどを外して行う整備は分解整備には該当しません。
2動力伝達装置のクラッチ(二輪の小型自動車を除く)トランスミッション、プロペラシャフト、またはデファレンシャルを取り外して行う自動車の整備または改造
二輪車のクラッチの分解は該当しませんが、カセットタイプミッションの取外しやシャフトドライブ車のプロペラシャフトを取外す場合がこれに該当します。チェーンやスプロケットは該当しないとワイズギアでは判断しています。
3走行装置のフロントアクスル前輪独立懸架装置(ストラットを除く)またはリアアクスルシャフトを取り外して行う自動車(二輪の小型自動車を除く)の整備または改造
この項目は二輪車では該当しません。
4かじ取り装置のギアボックス、リンク装置の連結部またはかじ取りフォークを取り外して行う自動車の整備または改造
二輪車では、フロントフォークやアンダーブラケットを外す作業がこれに該当します。
5制動装置のマスターシリンダー、バルブ類、ホース、パイプ、倍力装置、ブレーキチャンバー、ブレーキドラム(二輪の小型自動車のブレーキドラムを除く)、もしくはディスクブレーキのキャリパーを取り外し、または二輪の小型自動車のブレーキライニングを交換するためにブレーキシューを取り外して行う自動車の整備または改造
二輪のドラムブレーキでは、タイヤ交換のためにホイールASSYを取外しても分解整備に該当しませんが、ブレーキシューの交換のためにシュープレートから外すと分解整備に該当します。これはシュー交換の際はシューとドラムの円弧合わせの作業が必要になるためと解説されています。
ディスクブレーキ車に関しては二輪車の例外はなく上記部品すべてが分解整備に該当します。カスタムされる比率の高いブレーキホースも分解整備に該当します。
ディスクブレーキの車両では、フロントホイールを外す時、構造上キャリパーを外す必要があります。
キャリパーの取外しでも二輪車を除く規定が無いため、分解整備に該当する作業にあたります。
6緩衝装置のシャシばね(コイルばね及びトーションバースプリングを除く)を取り外して行う自動車の整備または改造
この項目はリーフスプリング構造の自動車を想定している項目と考えられ、「車軸の締結が解かれること」を想定していると考えられます。
構造が異なる二輪車では直接は該当しません。
7牽引自動車または被牽引自動車の連結装置(トレーラヒッチ及びボールカプラを除く)を取り外して行う自動車の整備または改造
二輪では、構造上この項目に該当する場所はありません。なお、分解整備は、原動機付自転車と検査対象外軽自動車(軽二輪)は対象外であり、二輪では小型二輪自動車(車検がある251cc以上)のもののみ該当します。

車両使用者の責任・分解整備事業者

車両使用者の責任

法律では、車両の使用者に車両保守管理の責任の主体があることとしています。
以前は「分解整備を行った場合には15日以内に車検場で分解整備検査を受けること」と規定されていましたが、近年の法改正でこの条項は削除されました。
これは、車両の保守責任者としての使用者に対して、その責任を定めたことの裏返しであり、カスタムされた車両が保安基準に適合した状態にあるかどうかは、使用者の責任で判断されなければいけないと言えるでしょう。
前ページの分解整備に該当する作業を行った場合には、使用者が定期点検整備記録簿に遅滞無く作業内容を記録しなければなりません。また、カスタムをおこなって、そのカスタムパーツを取付ける作業行程で、分解整備に該当する作業をおこなった場合にも同様に記録する必要があります。
ただし以下の整備の場合には、使用者が記録する必要はありません。

1日常点検整備または定期点検の結果、保安基準に適合しないものまたはその恐れがあるものを保安基準に適合するように分解整備した場合
点検整備作業実施者が記録する義務があります。
使用者が自らおこなった場合は自ら記録します。
2法律に定める分解整備事業者が整備を実施した場合
分解整備事業者が記録をしなければいけません。

定期点検整備記録簿には決められた書式はありませんが、これは関係者の創意工夫に基づきより使いやすい点検記録簿を発行できるようにとの主旨で、あえて国からの統一書式を指定しなかったものです。
これを考慮すると新車に付属しているメンテナンスノート(整備手帳)が使いやすくてよいでしょう。
二輪車では整備実施日より1年間の保管が義務づけられていますが、記録簿が車両の整備履歴の生涯記録として活用されるよう別途通達で指導されています。

分解整備事業者

「法律に定める分解整備事業者」とは、わかりやすくいえば、認証工場や指定工場などといわれている事業者をさしています。個人の整備士資格だけでなく整備工場全体での資格であり、分解整備を事業として行う事に必要とされる工場面積、工具、機具、技術力、工員数、資本力等の基準を満たし地方運輸局長の認証を得た整備工場です。
道路運送車両法では、認証を得ないで、分解整備事業を行うことを禁じており、これに違反すると30万円以下の罰金とされています。
分解整備事業とは、法に定める分解整備を有償で行い工賃を得ることです。

二輪店

用品ショップでも小型二輪自動車で分解整備に該当する項目の作業を行いお客様から工賃を頂くためには、分解整備事業者の認証を取得しなければなりません。
一方、車両の使用者は技術的、技能的、設備的にその作業ができるかどうかは別として、法的には車両の保守責任者として、すべての作業を行うことが可能です。
もちろんその責任はすべて使用者が取らなければなりません。

日本自動車整備振興会連合会偏「自動車整備関係法令と解説」より一部引用