メンテナンスガイド

バイク用レインウェア お取り扱いガイド

お気に入りのレインウェアと
長くお付き合いいただくために

バイク用として使用されるレインウェアは、走行風や路面汚れのはね返りなどの外的影響を受け、街着用や登山用で使用するよりも厳しい環境にさらされています。
レインウェアの機能を長く保つためには少しだけお取り扱いに気を使っていただく必要があります。
本ページは一般的なレインウェアに共通する基本的なお取り扱い方法になりますのでご参考にして下さい。

1生地の撥水・防水・透湿のしくみ

撥水とは生地表面で水をはじく機能です。

生地表面の撥水基と呼ばれる細かい柱により表面張力が発生し、その力で水滴(雨水)の付着を防ぎます。
(防水機能ではありません)

防水とは生地裏面に加工した防水被膜により衣服内への浸水を防ぐ機能です。

表面ではじききれなかった水滴(雨水)は生地に浸水しますが、生地の裏面に加工されている防水被膜層が浸水を抑えて、衣服内へ水滴(雨水)の侵入を防ぎます。

透湿とは衣服内の蒸れによる湿気を外に放湿する機能です。

透湿機能は防水被膜層に透湿機能をプラスしたもので、雨水サイズの水玉は通さず、衣服内の湿気は通す構造となっており、衣服内の蒸れを軽減します。(透湿機能付の商品に限ります)

撥水機能が低下すると、生地表面が雨水に覆われて衣服内の湿気を放出する透湿孔が塞がれ、透湿性が低下します。透湿性が低下すると衣服内の湿気が多くなり、結露が生じて濡れたと感じる場合があります。しかし撥水機能が低下しても防水機能は低下しませんので、生地表面からの浸水は防いでいます。

2レインウェアの着こなし方

ファスナー・ボタン・面ファスナーはしっかり留めましょう。

レインウェアの内部が濡れる一番多い原因は, 首周りと袖口部分の隙間からの浸水です。隙間ができないようしっかりと閉じて着用しましょう。

レインウェアは防水生地を使用していますが、首回りと袖口部分の閉じ方が不十分だと隙間ができるため、完全防水にはなりません。
しかし、正しく着こなすことで、レインウェアの持つ防水機能を最大限に引き出すことができます。

腹部はタワミ・シワが無いように。

上着の丈が長い場合、腹部にタワミ・シワができ、そこに雨水が溜まることでフロントファスナーから浸水する場合があります。乗車時にタワミ・シワができないよう腹部を整えましょう。

袖口の隙間をなくしましょう。

レイングローブで袖口を覆うか、レインウェアの袖口をしっかりと閉じ袖口の隙間をなくしましょう。

停車時、袖から伝った水がレイングローブに浸水することがあります。

レインウェアの内部を傷つけないように優しく着用しましょう。

レインウェアの下に着るジャケットに付属する金属のファスナーやボタン等の突起物が、レインウェアの裏地や防水被膜層を傷つける場合があります。優しく着用しましょう。

3濡れたかなと感じたら

首周り、袖口はしっかり絞れていますか?

首周りがゆるいと、首周りから入った雨水が胸を伝わり腹部まで濡れてしまいます。また、雨水がヘルメットのあご紐を伝わって首周りが濡れる場合もあります。あご紐をレインウェアの内側にしまうか、首周りの隙間をなくすようにしましょう。袖口から入った雨水は腕を伝わり、肘部まで濡れてしまいます。隙間なく閉じられているか確認をしましょう。

裏地にメッシュ素材を使用したレインジャケットの場合、メッシュ素材を伝わり、袖口から肘にかけて濡れる場合があります。袖口にメッシュ素材が偏っていないか確認してください。

汗等で内部が蒸れていませんか?

透湿機能が備わっているレインウェアでも、衣服内の湿気を完全に放出することはできません。尻部などはシートに密着しているため、最も湿気が放出されにくい箇所です。特に夏季または湿度の高い時期の使用の場合は、適度に休憩を取り汗がこもりすぎないようにしましょう。また、撥水の低下も内部に湿気がこもる原因となりますので、使用前のお手入れをお奨めします。

4使用後のお手入れ

軽く水洗いをし、できる限りウェアの汚れを落としてください。

路面からの跳ね返り油や、排ガスの汚れなど目に見えない汚れが付着しています。汚れが付着していると撥水機能が損なわれます。汚れが酷い場合は中性洗剤にて洗濯してください。

※必ず洗濯絵表示をご確認の上、お手入れしてください。

洗濯前に泥汚れを落として下さい

日陰で吊り干しで乾燥して下さい。

ご使用後や洗濯後は、日陰で吊り干しにて乾燥させてください。日干しをしますと劣化の原因となります。特にポリウレタン系の透湿防水製品は、紫外線の影響で劣化が加速したり、湿った状態で保管することでポリウレタンと水が化学反応を起こし、劣化が進行する場合がありますので、ご注意ください。

5保管方法

バイクのシート下、ボックスの中など、高温多湿になる場所では長期間保管しないようにして下さい。

濡れた状態のまま密閉された場所で保管することは、最もレインウェアの劣化を進行させます。またカビの発生原因にもなります。乾かした状態であっても、熱の影響で劣化が進行します。

収納袋が附属されている商品もありますが、収納袋は持ち運び用として使用し、帰宅後は袋から取り出し保管しましょう。

ハンガー掛けにて、日陰の風通しの良い場所に保管することを推奨します。

折りたたんだまま長期間保管されますと、折れ曲がった部分の生地の劣化や、撥水機能の低下につながります。ハンガー掛けにて陽の光が直接当たらない場所に保管するようにしましょう。防虫剤、除湿剤等を使用する場合は、それらの注意事項を確認してからお使いください。

6撥水効果が落ちたと感じたら

撥水基が汚れや圧力によって倒れてしまったり、撥水基そのものが磨り減っていくと撥水が効かなくなります。

洗濯をして汚れを落としてください。

撥水基に付着しているゴミや油を洗い落とすことで、撥水効果が回復する場合があります。

アイロンで熱を加えてみてください。

洗濯をし、乾燥させた後にアイロンがけで熱を加えると、倒れていた撥水基が立ち上がり、撥水効果が回復します。アイロンがけはあて布をするなど、洗濯絵表示を守って行ってください。

アイロンがけは生地が乾いた状態で行うと効果的です。

撥水スプレーをお試し下さい。

継続使用にともない、撥水基は磨り減っていきますので熱を加えても撥水が回復しにくくなります。その場合は、撥水スプレー等で新たに撥水基を塗布することで撥水機能が回復します。撥水スプレーを塗布し、生地表面が乾燥したことを確認後、熱を加えることにより、ムラなく均等に撥水基が構築されます。

撥水スプレーを塗布する場合は、撥水スプレーの注意事項を確認してからお使いください。
汚れが付着した状態で撥水スプレーを塗布すると、本来の撥水効果が発揮されませんのでご注意ください。

7買い替え時は?

レインウェアは経時劣化します。

ポリウレタン系の防水被膜により加工した生地を使用した製品は、使用しない場合でも、様々な外的影響により経年劣化します。保管方法が適切でなかったり、晴れた日に防寒着として常用したりするとさらに劣化が早まります。

適切なお手入れを続けたとしても、劣化を防ぐことはできません。

生地の裏面の剥離や縫製部からの浸水を防ぐテープが剥がれ始めたら、買い替え時です。

生地裏面の防水被膜(コーティング面または網目生地)が剥離し始めたり、縫製部からの浸水を防ぐテープが剥がれ始めていたら、その箇所から浸水します。撥水機能はお手入れにより回復しますが、防水機能は生地自体の劣化であるため回復させることはできません。見た目で分からない生地の劣化もありますので、防水がきかなくなったら、新しいレインウェアをお買い求めください。

付録 洗濯絵表示について

旧JIS 絵表示(JIS L 0217) 新JIS 絵表示(JIS L 0001) 解説
液温は、30℃を限度とし、弱い洗濯処理ができる。
手洗いによる洗濯処理ができます。
旧JIS のは30℃、新JIS は40℃を限度としています。
塩素系漂白剤による漂白はできない。
「低」は120℃を、●ひとつは110℃を限度とし、アイロンかけができることを意味しています。
新JIS ではあて布の絵がなくなりましたが、レインウェアはあて布をあててアイロンかけをしてください。
ドライクリーニングはできない。
日陰での吊り干しがよい。
タンブル乾燥処理はできない。
追加されました
しぼってはいけない。
表記は無くなりました