春に思うこと

今年は30年振りに北海道を走り、そして、秘密のモトクロスの草レースに出場するのだ!――と、春に思うこと。

この記事は、2012年11月以前のY'S GEAR CLUBの記事です。

春に思うこと:写真

「地球に遊ぶ」 COLUMN3 第1回

今年は30年振りに北海道を走り、
そして、秘密のモトクロスの草レースに出場するのだ!
―――と、春に思うこと。

春の新しい門出に当たって、将来に向けて胸を膨らませているのは、なにも新入学や新入社員の人達ばかりではない。我々ライダー達も、毎年この時期になると、温もる風に気配を感じて心が何やらざわめき始めるのだ。

"さ~て、今年は何処に行こうかな?"と、大方のライダーにとっては春がその年のシーズンの始まり。今年こそ出かけてみたい長旅への想い、二泊三日の温泉ツーリング、そしてキャンプ、岬や半島回り、北海道とか四国とか九州の周遊の旅、などなど―――行きたいところは山ほどあるが、問題は何日確保出来るかわからない休日がネック。かく言う私も(これほど自由に生きているにも関わらず)、いざ旅に出かけるとなれば、日常の仕事や家族状況を外してはチと考えにくい(おまけに、家には犬もいる)。 であるのだが、頬を掠める春風を感じて想う今年の抱負とは?… そうですね~、1980年代には盛んに走り回っていた北海道を、ゆっくりとテントを持ってまた自由気ままに走り周ってみたい!が一番かな。そして二番は、26才でピタリと止めて、以来一度も出たことがなかったモトクロスの草レースにでも、久しぶり(35年振り)に出てみようかな?という秘めたる恐ろしい夢…。

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1981年、僕は誰もが行きたい北海道でツーリングライダーの祭典を主催した。 "俺たちの祭り"がサブタイトルだった「第1回目のノースランドラリー」。雑誌に二行告知しただけで、もの凄い数のライダー達が集まったのだった。

一番目の北海道は、かなりの確率できっと良い旅になるだろう?と思っている。本州などの自然と比べて、開発の手が入らなかった北の大地(北海道)の風情は、遠い昔のあの景色のまま、我々がやってくるのを待っていてくれる。何年か前だったが、二十数年ぶりの道東の清里峠(清里町)を走った時のこと。走り回ったあの頃から随分と歳をとってしまった自分と比較して、久しぶりに目にした辺りの風景は当時とまったく変わらず、過ぎ去った時間と経年変化した己の肉体を意識しなければ、他はみんな一緒(自然は普遍的)で、まるであの頃の青春が再び舞い戻って来たようで、思わず心の中で「ありがとう!」と呟いたものだった。

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MXコースでYZ250Fに乗る私…じゃなくて息子(晋之介)。

そしてバイクは、若い時からは少しの時間を寝かせ、ある程度歳をとってから返り咲くと(マシンゆえに、体力の衰えも関係なしだから)、失った「青春」を取り戻してくれる「タイムマシン」のごとくで、最高の乗り物!である(歳をとれば取るほどいい乗り物)と、思うようになった。 だから、僕はこれからも一生バイクに乗る。バイクには年寄りも若者もない、みんな一つの「風」となって「大地」と解け合うのだ。

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青いオホーツクをバックに東京から行った仲間達と嬉しそうに防波堤の上にのって記念写真。とにかくバイクに凝っている時は幸せなのです。

高齢者モトクロス大会?
そんな思考回路だから、ここのところ僕は、若い頃に10年ほどやったモトクロスに再びトライして空を飛んでみたい!と、心の奥底で密かに企んでいる。そして、誰にも公表することなくマシンの制作に密かにとりかかっている。7年前に左足に怪我を負い、膝(90度以上)も足首も曲がらず、力も入らないから、セルスターター付のWR250F(2003年型)を軽量小型化して、誰にも知られない無地のヘルメットを被り、地方の草レースに密かに出場する―――が、極秘計画。そして、もしも格好良く走れるようになったら、華々しく全日本にデビュー戦を飾る!なんて事は、間違っても無さそうだから心配はない。と言う訳で、皆さん、今年もやっぱり「安心・安全ライディング」で行きましょう!

冒険家 風間深志:写真

プロフィール 数々の冒険の傍ら、バイクツーリングクラブ「MAC」のリーダーや、椎名誠氏率いる「いやはや隊」メンバーとして、さらにフィッシングクラブ「FAC」の会長、全国各地での講演や「地球元気村」の開催など、多方面で活動。2008年 WHO承認活動「運動器の10年」世界運動国際親善大使に就任。
*NPO法人「地球元気村」代表
http://www.chikyu-genkimura.com/