PASの車上からは、美しい日本の原風景が見えた。

PASで駆け抜けた列島の旅3000km。美しい日本海を眺める旅。

この記事は、2012年11月以前のY'S GEAR CLUBの記事です。

PASの車上からは、美しい日本の原風景が見えた。:写真

「地球に遊ぶ」 COLUMN10第1回

PASの車上からは、美しい日本の原風景が見えた。

さて、季節は「夏」本番。この夏のお薦めは風間深志が、この春から初夏にかけてPASで駆け抜けた列島の旅3000km。美しい日本海を眺める旅です。見渡す風景や出会った人々の心の中に、きっと日本の原風景を感じ取るでしょう!

一昨年の春に挙行したPASによる「日本縦断」を、今度は北から南に向かって3000km、毎日ぶっ続けの36日間、例の「運動器の世界キャンペーン」(注1)を掲げながら、しんどくて辛いけれど毎日の充実感の方がこれに優る、結局は楽しい「日本縦断の旅」をやって来ました。

旅の始まりはゴールデン・ウィーク初日の4月28日でした。本編の札幌からのスタートを前に、大震災の被災地をまわる「プロローグラン」(仙台~八戸までの440km)のあと、フェリーで苫小牧まで渡り、今度は転じて「札幌」から南の函館を目指し、青森からは日本海側沿いに南下して6月の「沖縄」まで、20の道府県を走るという、So LongのPASの旅。

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被災地・気仙沼には今も、こんな大きな船が内陸に打ち上げられたままになっている。

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旗を作り、街中が歓迎してくれた兵庫県豊岡市の子ども達に見送られて、、。

旅の期間が4月の北海道~6月の沖縄ともなると、季節は完全に「春」から「初夏」。気温も、雨と寒さに震えた北海道の8℃から沖縄は真夏の30℃。縦に長い日本列島は一度に三つのシーズンを味わえるという贅沢(どこかで、これと同じような言葉を聞いたことがあった。確か南米パタゴニアだったかも知れない___"4seasons a day"。めまぐるしく変化するパタゴニア地方では、たった一日で4つのシーズンを体験することが出来る、と)さである。

ともあれ、多くの身障者(108名)と医師達(95名)と共に、日本列島を「縦」に貫く今回の旅で発見したこと(お宝)は=さすがに日本列島は「お米」を主食とする我らが日本民族の島。日本海に沿った、そのほとんどの風景が北から南まで、岩木山、鳥海山、立山連峰、白山など、各地を代表する山々と豊かな自然を背景にして展開する「水田」の風景だった。田んぼを耕し、これから水を張ろうとする北国の田んぼに対して、正に「田植え」のシーズンの真っ盛りだった中越地方の田んぼ。そして、とっくにお田植えも終えた丹後地方…。どこも心底素晴らしい日本の原風景と言えるものだった。山紫水明、雄々しき山々、そして、豊かな森と原野の裾野に広がる「水田」や「畑」の、日本の風景の中に働く人々の姿を見ていると、「古来、人々はここに住み,こうして生きてきたのだ」という、妙に心落ち着く安堵感があった。かくも自然豊に、人々の生活を十二分に支える日本列島に「原発」などは決して要るものか?と、そんな風に思うのでした。

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(左)田んぼは日本の原風景だ。(右)若狭湾を右手に走る。

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風間の乗ったPASブレイス。(シートとハンドル、そして15mmカットした左クランク)

加えて、日本海を眺める人々の「人情の厚さ」と「大らかさ」は充分にまだ存在していた。手に旗を持って、県境を越える度に待っていてくれた沢山の子ども達や、熱心に取材をしてくれた各地の報道メディアの方々など、心温まる声援に励まされながらキャンペーンは無事、沖縄のゴールを踏むことが出来た。 「ありがとう日本、頑張ろう日本、僕らは一つ!」ですね。
この夏は心温まる日本海を走ってはいかがでしょうか?

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(右)大分ではシドニーパラの銀メダリストの廣道純さん(38才)も参加してくれました。(左)ゴールは沖縄の「豊崎美らSUNビーチ」。ミス沖縄や豊見城市の市長さんなど、大勢の方々の出迎えを受けました。


(注1)世界96各国が参加し、運動器(骨や関節、靱帯や筋肉などの体を動かすために必要な運動機能のこと)の健康維持に留意して、単に生きるだけではなく、より行動的で積極的な人生=Quality of Lifeを!そして、墓場までは自分の足で歩いて行きましょう!――という世界中の整形外科医が参加推進するWHOの承認の「Bone and Joint(運動器)Decade(10年)」という世界運動。風間はこの運動の国際親善大使を2007年から務め、これまでに世界各国を66300kmを走破して活動。今回のキャンペーンも2010年の国内キャンペーンに引き続き、「運動器」の重要性を一番知っている日本各地の「身障者」や「医師」達に協力してもらい、自転車(PAS)や車椅子、またはハンドサイクルなどによってタスキを繋ぐ「日本縦断リレー」でした。風間はこの全行程を一人PASで3000kmを走り抜いた。

冒険家 風間深志:写真

プロフィール 数々の冒険の傍ら、バイクツーリングクラブ「MAC」のリーダーや、椎名誠氏率いる「いやはや隊」メンバーとして、さらにフィッシングクラブ「FAC」の会長、全国各地での講演や「地球元気村」の開催など、多方面で活動。2008年 WHO承認活動「運動器の10年」世界運動国際親善大使に就任。
*NPO法人「地球元気村」代表
http://www.chikyu-genkimura.com/