バイク復活の元年・2015の予感?

そう、今年2015年はこれまでとはちょっと違う、カツン!とギアをシフトUPしたような、バイク界の復活を示す「手応え」や「盛り上がり」の感覚をひしひしと肌で感じるのは、たぶん僕だけではないかも知れない。

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KAZAMA SHINJI COLUMN 「地球に遊ぶ」

Vol.54

バイク復活の元年・2015の予感?

CATEGORY:地球に遊ぶ

バイクにはうってつけの陽気である。明るい日差しと青い空、カラッと気持ちのいいそよ風が最高の気分のこの季節。こんな時期になると、もうたまらなく僕たちはバイクに乗りたくなってしまう。

僕は今、心に強く決めたのだ。今年こそ、毎月必ず何処か素晴らしい所へ、自分らしく、ちょっとした冒険的走りを心がけ、アグレッシブで充実した一年を過ごすのだ!と。

ふと気がついてみれば、なにやら近頃、そのようにバイクにガッツリと熱い眼差しを傾ける親しき(中年)仲間達が、周りにやたらと増えて来たような気がするのだ。

そう、今年2015年はこれまでとはちょっと違う、カツン!とギアをシフトUPしたような、バイク界の復活を示す「手応え」や「盛り上がり」の感覚をひしひしと肌で感じるのは、たぶん僕だけではないかも知れない。僕の勝手な予想だが、バイク界はこれまで(20年間?)の長~い「氷河期」(不振期)を脱し、ここに来てようやく温かな「春」の季節(需要期)を迎え、再びかつての時代(70~90年代初頭の日本は最高潮のバイクブーム)のように、多くのバイクフリークが社会のあちこちで羽ばたく時代へのターニング・ポイントとなるような、気がするのだが、どうだろう? 名付けて「バイク復活の元年・2015」。

その証となる現象の第一弾は、今年3月に東京、大阪で行われた「モーターサイクルショー」。入場者は大阪=57,754人(昨年比105%)、東京=昨年を2万人も上回る132,249人もの大盛況ぶり。この時、僕も各メーカー・ブースを歩き廻ったのだったが、通路が来場者の黒山の人だかりで埋め尽くされ、興味深い展示車を見たくても、まったく見えないほどの大混雑に恐れ慄いた。

▲どこのブースも黒山の人だかりでバイクが見えない程のMCショー。
▲「ツインリンクもてぎ」に集結した5000台のバイク。(BikeJIN祭り)

MOTEGIを埋めた5000台のモンスターバイク

その他、全国には沢山のバイク復調の例はあるかもしれないが、僕の経験値に基づく「復活の兆し」の検証の第二弾は、去る4月25~26日「ツインリンクもてぎ」において開催された「FIMトライアル世界選手権第一戦」と同時開催された、雑誌「BikeJIN」の恒例イベントとなる「バイク祭」。ここにはサーキットのインフィールド駐車場の総てを埋め尽くすほどの、約5000台(昨年は2500台)のバイク(その殆どが1000cc以上のモンスターバイク)が集結し、これに伴うライダー諸氏は輝く春の陽光の下、人気集中のサーキットランをはじめとする様々なワークショップで大いに盛り上がったのだった。

そのイベントにも垣間見たように、近年のバイクフリークの傾向は

  1. マシンは1000ccを越えるモンスターバイク
  2. そのカテゴリーはロングツアラーが多く
  3. 価格は100~300万円もする高級車両がいっぱい
  4. 気になるライダーの平均年齢は、自工会調べで51歳と高齢化
  5. また女性ライダーの台頭も見逃せない

…傾向にあるとか?

つまり、現代のバイクフリークはかつてのバイク全盛時代のリターンライダーが多く、若い頃に実現出来なかった夢の高級マシンを購入し、以前は取れなかった長期休暇も今は取れるようになり、夢物語だったロングツーリングにも晴れて出かけられるようになった…という訳なのだ。

が、正しい「バイク文化」の育成は、ただ数が多くなれば良いというものではない。問題の視点はこんな言葉からも浮き彫りになってくる=「温泉もいっぱい行ったし、グルメの旅ももう飽きちゃって、最近はもう行くところがなくなって乗らなくなってしまった」と。いわゆる飽食の時代の実態だが、バイクの役割は単に目的地に人を乗せて走る「荷役」だけではない。二輪であるが故の運動性、剥き出しであるが故の危険や、ライディング環境、自然との対話、etc…を通して行う「旅」の魅力、競い合う「ゲーム」の魅力と、その魅力の秘密は底なしである。僕に言わせてもらえば、職種、年齢、性別、貧富など、あらゆる要素をスポイルさせるバイク特有の異次元空間を通じて、正に「今に生きる」実感のようなものを味わってもらいたいのだ。

ツーリングライダーのステータス・イベントSSTR

手前ミソだが、そこで考えたのが5月の最終週に開催したロングツーリング・イベント「SSTR」(サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー)である。

多くのツーリングライダーにとって憧れの存在でありステータスとなるようなイベントの実現をと、朝陽の昇る太平洋(瀬戸内海、有明海含む)の海岸線から、同日の夕陽の沈む石川県千里浜の海岸にゴールするツーリング・ラリーである。今年は全国41都道府県から961名のライダーが参加した。

▲SSTRには、全国から1000人を越えるライダーが千里浜に沈む夕陽を目指して走ってくる。

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