2017年 ダカールラリーを目指す!メルズーガ大砂丘の序戦、27位で突破

ダカールラリーへの出場を目指す私と息子は、出場権を獲得するために、国際ラリー「Merzouga Rally」に出場した。

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KAZAMA SHINJI COLUMN 「地球に遊ぶ」

Vol.58

2017年 ダカールラリーを目指す!メルズーガ大砂丘の序戦、27位で突破

CATEGORY:地球に遊ぶ

モロッコのマラケシュからカサブランカを経て、カタールのドーハで別便に乗り換え、日本の成田まで24時間もの長旅だった。

途中の5時間のトランジットの待ち時間で、ようやく落ち着いた顔の表情を見せた息子(風間の三男、晋之介)に、「どうだ、ダカールの出場権は今回取れたが、本当に出る気はあるのか?」と聞いてみた。

答えは「もちろん! 何それ?」だった。

風間のこれまでの冒険の経験では、まだその冒険に向ける「覚悟」をはじめ、金銭的にも内容的にも行けるかどうかも判明してない内に、世間に対し公言し、いよいよもって「実行」という段になったところで、はじめて「俺は本当に行くのか?これが運命なら、行くしかないか?」が、実は誰にも云えないところの本音だった。夢には向かいたいが、迫りくる現実の困難や恐怖からは、出来れば逃れたいと云うのが当人の本音なのである(結果、夢はそれを乗り越えるから素晴らしい)。

だから、息子に聞いてみたのである。ここまでは、ある種の流れに乗ってやって来た。が、いざ次はダカールの本戦となると、そのリスクは計り知れないものがある。金銭的にも力量的にも半端ではない。半端な覚悟では走り切れないのがダカールなのだ。

「あんな地獄のようなオフロードと砂丘の日々が、今回の三倍の長さだぞ」と重ねて言ってみた。すると、息子は「正直、今回、初めてのラリーだったから、2日目の長いSS(Selective Section)で、こりゃ参ったなと思ったさ、けど、3日目はその倍の582kmもの長さのSSだったから、むしろ、そこからは吹っ切れたよ」と、ケロリと言ってのけた。これが若さなのだ。

と、そんな訳で、2017年のダカールラリーへの出場を目指す私と息子は、その出場権を獲得するために、モロッコのメルズーガの大砂丘(北サハラ)を舞台に行われた国際ラリー「Merzouga Rally」(ASO主催)に出場した。

▲メルズーガ大砂丘のてっぺんに向かって登っていくラリー最終日のトップ集団。

期間はこの5月21~27日までの間。受付と車検の日、プロローグランの日、そして4日間の本戦、ラストの表彰式と全7日の日程。

エントリーフィーはEUR3000。これに、マシンやパーツ、輸送費、滞在費、交通費、保険代などを加えると、遠征の総経費はかなりの高額になるが、参加者の心意気はそれ以上に熱いのだ。

エントラントはASOの本拠地となるフランスをはじめ、ベルギー、オランダ、ドイツ、イタリア、英国、スペイン、ポルトガル、スイス、エストニア,インド、アメリカ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、ボリビア、ペルー、日本、南アフリカなどなど、ダカール本戦を目指す、ありとあらゆる国々のオフローダーがメルズーガに結集。その数はバイク、クワド、SSVの三種目締めて150台と166名。

2012年からはじまったこの「メルズーガ・ラリー」。日本ではまだその知名度はまったくゼロに近いが、上記の通り、ダカール本戦に向けての重要な序戦(プロローグ戦)として、各国メーカーの開発マシンのテスト、エリートライダーの選抜とウオームUPを兼ねたラリーとして、あちらは相当に盛り上がっている。

▲ヤマハのロドギレス・ヘルダーと今回の覇者、ホンダのB・ケビン(アルゼンチン/27才)の二人。体が大きいのでマシンが小さく見える。
▲砂丘を駆け上がるにはルートを読む力が必要。

さて、そのメルズーガ。我が「Sprits・of・KAZAMA」(と申します)のエースライダー、晋之介は果たしてどう戦ったのか?と言うと、なんせラリーは初体験。コースマップを動かしながら、同時にGPS(緯度経度計)とカップリピーター(方位計)、トリップカウンター(積算計)を読みながら、オフの全力走行となるとかなり難しい。

とにかく勝負は無し!で、ひたすら「慣れる」を主眼とし、ダカール本戦に向け「完走」を是が非でもに果たす!を目標とした。

▲メルズーガ砂丘群はサハラの北限の砂漠。ピンクを帯びた砂丘の色は朝と昼と夕の色がある。
▲SSに向かってスタートをきる風間晋之介。

マシンは、なんと2014年にC・デプレ(過去5回のダカール優勝者)が乗って、ダカールに出場したマシン(同様のYZ450ベース)を借用することになったのだが、デプレの身長180cm以上、体重90kgに対して、こちらはなんとも170cm、65kgと、ちと小さい(涙)。

で、その結果は?プロローグ42番手、ラリー1日目36位(が、ウェイポント不通過で42位)、2~3日のマラソン26位、4日目の最終27位が結果となった。ちゃんちゃん!次は本番のダカールに乞うご期待。

▲今回、大変お世話になったGPメカニックのH・フランクとB・クオントン(左)の二人。
▲ヤマルーブ・ヤマハ・ラリーレイド・チームの青いピット。選手はVB・エイドリアンだ。

僕の見たメルズーガのラリー?? これまでの何処の砂丘より、その大きさと高さ難易度は最大級。恐るべしメルズーガの感触でした。

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