ソーラーパネルに関する知識や選ぶポイントをご紹介。
太陽電池パネルの発電量を示す最大出力(W)は、一定の条件下で一番発電する数値です。実際の使用条件では、1日中最大出力を出すことはありません。朝夕・曇りや雨の日は発電量が落ちてしまいます。よって、1日に最大出力が出せる時間は、正午を挟んで3.5時間程度と見込み、システムを設計をしていきます。
パネルの最大出力155Wの「RS-S155-12」の場合(システムロス等は考慮せず)
太陽電池パネルは季節や天候、設置する方角や角度により発電量が変わります。
電力会社の電線と繋げる連係タイプの太陽光発電システムであれば、ワット(W)数が大きい方がたくさん発電します。
では、独立蓄電型の太陽光システム(オフグリッドソーラーシステム)においてはどうでしょうか?
実は、ワット数が大きくても、そのほとんどが無駄になっている場合があります。
200Wの太陽光パネルと85Wの太陽光パネルを使って、それぞれ12V バッテリー(蓄電池)を充電するとします。どちらがたくさん充電できるでしょうか?一見、200Wの方がたくさん充電できるように見えますが…。
ちょっといじわるな質問ですね。実は、答えを考えるにはちょっと情報が足りません。答えを考えるには、各太陽光パネルの電圧、電流の値が必要になります。
太陽光パネルでバッテリー(蓄電池)に充電する場合、太陽光パネルの電圧は、高すぎても、低すぎてもいけません。太陽光パネルでバッテリー(蓄電池)を充電すると、太陽光パネルの電圧は、バッテリーの電圧に引っ張られ、12 ~ 14V付近まで抑制されてしまいます。
わずかですが、200Wパネルより85Wパネルの方が多く充電できることになります!
バッテリー(蓄電池)に充電する際は、太陽光パネルのワット(W)数だけでなく、必ず、電圧と電流の値も確認しましょう。
ちなみに、12Vのバッテリー(蓄電池)を充電する場合、パネルの最適な動作電圧は17~18V程度になります。
太陽光パネルは、温度が上がると電圧が下がる特性をもっています。
パネルの表面温度が80度近くになっていると、3~4V程度低下することも…。
よって、夏場など気温が高く、日射が強い時にも、バッテリーを充電できる電圧を、維持できるようにするために電圧に余裕を持たせています。
太陽光パネルのタイプ(結晶系、アモルファス系、化合物系など)によって、低下の幅は異なります。
その中で、『200W = 50V × 4A』や『200W = 20V × 10A』など、パネルは電圧・電流の組み合わせで様々な仕様があります。その中でバッテリー充電に向いているパネルか、そうでないパネルか判断するには、ワット数(W)ではなく、電圧と電流が重要だということです。
また、産業用や住宅用(連系用)で使われている太陽光パネルなどは、ワット(W)数は大きいですが、電圧も高めのものが多く、バッテリー充電には不向きな場合があります。
充電量:システムロス等は考慮せず