石川「金沢」

文学の街・金沢 三文豪を訪ねて

この記事は、2012年11月以前のY'S GEAR CLUBの記事です。

石川「金沢」:写真
DS4

女一人旅・文学を駆ける 文学の街・金沢 三文豪を訪ねて

近代の文学史に名を連ねる泉鏡花、徳田秋聲、室生犀星
この三人の文豪を育んだ、歴史と情緒が薫る街、金沢へ
DS4とともに女一人で出かける日帰りの旅が始まる!

文学薫る金沢へ、DS4でいざ出発!

城下町の風情が今でも残る古都・金沢。この街は、明治以降数々の作家を輩出していることから「文学のまち」とも呼ばれる。それを表す最たる存在が、近代文学界で活躍した泉鏡花、徳田秋聲、室生犀星の「金沢三文豪」だろう。故郷を舞台に描く彼らの作品は、今尚多くの人を魅了する。今回はそんな彼らの面影を訪ね、金沢へと文学好きの秋江が日帰りの旅に出かけた。
旅をともにするのは、重厚感漂うボディと軽快な走りで高い人気を誇るクルーザー「ドラッグスター400(以下DS4)」。「ジャパンクルージング」のパーツであり、旅に便利なスマートサイドバッグを取り付けたマシンは、情緒溢れる金沢の街によく似合うはずだ。
夏の風を感じながら快調に走るDS4で彼女がまず向かったのは「ひがし茶屋街」。昔、花街があったこの場所は、その当時の面影を残すレトロな街並が続き、独特の雰囲気が漂う。

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江戸時代の面影を残す「ひがし茶屋街」。レトロな街並に重厚感の漂うDS4はよく映える。ヘルメットは「YJ-12 ZENITH EXXS」、ジャケットはスタイルにも機能にもこだわったクルーザーモデル「STS03スターメッシュジャケット」、そして小物の収納に便利な「YAJ06 STレッグバッグ」とスタイルも本格派にこだわった。

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(左)DS4に取り付けたスマートサイドバッグは、着脱も簡単。日帰り旅にとっても便利。(中)茶屋街の喫茶店でひと休みする秋江。

鏡花の世界にふれる浅野川沿い

秋聲の短編『挿話』はこの茶屋街を舞台にした味わい深い作品だ。また、茶屋街からほど近い浅野川沿いでは「鏡花のみち」があり、彼の初期の代表作「義血侠血(ぎけつきょうけつ)」のヒロイン「滝の白糸」象も見ることができた。茶屋街で情緒を楽しんだ後は、金沢の郷土料理「治部煮(じぶに)」を味わう。その土地ならではの料理が味わえるのも、旅の楽しみである。

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鏡花も散策を好んだという浅野川沿い。「鏡花のみち」には「義血侠血」で義に生き、恋へ命をかけた悲劇のヒロイン「滝の白糸」の碑と像が建てられている。散策後のランチタイムに「治部煮」を楽しむ。治部煮は鴨や鶏肉を治専用のすだれ麩や野菜と煮た、この土地ならではの料理。やさしい味わいに心が和む。

三文豪の共演、石川近代文学館

そして「おいしかった」と満足顔で店を後にした彼女が次に向かったのは、赤レンガのモダンな建物が目を惹く「石川四高記念文化交流館」。石川県ゆかりの文学者の資料を展示するこの施設には、犀星が東京の自宅に設けた書斎の復元や、三文豪の手蹟や遺稿なども展示され、各文豪の作品や個性にまとめて触れることができる。

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旧第四高等中学校本館を利用した「石川近代文学館」。建物は国指定重要文化財に指定されている。

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金沢三文豪の資料ももちろん充実。秋江も興味深く展示資料をのぞき込む。

金沢城と兼六園に見る悠久の美

ゆっくり鑑賞を楽しんだ彼女が、次に選んだ目的地は、金沢きっての定番観光スポット「金沢城公園」と「兼六園」。これらのスポットは、文学館からバイクで移動すればあっという間の距離にある。日本三名園のひとつであり、国の文化財にも指定されている兼六園。そして、この地のシンボルとして街を見守る金沢城を眺め、歴史と文化を感じるひとときを過ごした。

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各時代の様々な技法の石垣が見られ、「石垣の博物館」と言われる金沢城。石川門の前にて。

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全体の大まかな位置をマップで確認し、まずは金沢城公園へ。広大な敷地に、歴史的建築物が立ち並ぶ。

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金沢城公園から兼六園に向かう遊歩道「白鳥路」に立つ金沢三文豪の像(左から犀星、鏡花、秋聲)。

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四季折々の美しい表情をみせる兼六園。

美しき伝統工芸・加賀友禅を楽しむ

兼六園のすぐ隣に「加賀友禅伝統産業会館」をなる場所を見つけた。加賀友禅といえば、金沢の代表的な伝統工芸。繊細でやさしい色彩や上品な趣が魅力だ。鏡花の作品「薬草取り」でも少しではあるが、加賀友禅に触れた記述がある。興味を持った秋江は、早速中へ入った。この会館では着物展示をはじめ、着付の体験や友禅作家による彩色工程の実演を見られるのがいい。加賀友禅の魅力にたっぷり触れることができた。

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加賀友禅に興味津々の秋江。実演コーナーでは、彩色の様子をじっと見入ったり、着物を合わせてみたりとかなり楽しそう。やはり女性、美しいものには目がないようだ。

室生犀星の原点、雨宝院を訪ねる

加賀友禅を楽しんだあとは、DS4で犀川大橋のたもとにある、この旅最後の目的地「雨宝院」へ。室生犀星生い立ちの寺として知られる寺である。生後一週間ほどで養子となった犀星は、20歳になるまでこのお寺で過ごしたという。寺には犀星が残した直筆の手紙や愛用品、作品などが展示されていた。また、犀星の作品に描かれている風景をあちらこちらに感じられるのも魅力だ。その世界を存分に楽しみ、金沢を後にした。
DS4の快適な乗り心地と安定した走りを堪能しながら、金沢三文豪を通して歴史と文化、伝統に触れた今回。彼女にとって充実した日帰りの旅となったようだ。

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TOURING MAP
YAMAHA DragStar400