地球元気村といざなぎ流の和合の極意

2011年は自然から学ぶ生き方が正しい。

この記事は、2012年11月以前のY'S GEAR CLUBの記事です。

地球元気村といざなぎ流の和合の極意:写真

「地球に遊ぶ」 COLUMN2 第1回

2011年は自然から学ぶ生き方が正しい。
―――地球元気村といざなぎ流の和合の極意

明けましておめでとうございます。平成23年・卯年の幕開けです。
さて、2011年の私の新たな目標!とは?…22年間の長きに渡ってやってきた「NPO法人・地球元気村」の活動を、ここでもう一度、新たな気分で日本全国に再発信し、自然との調和のある社会を実践していく!―――これが僕の今年の初詣の誓い。

地球元気村とは、僕が1987年の北極点へのバイクの遠征で「生きて帰れたら、自然のありがたみと、我々が自然から学ぶべき事柄をみんなに伝えよう!」と心に誓って帰国し、これまで展開してきた「自然から学ぶ自然塾」(と言うより、自然から学ぶ事を実社会に実践する世直しの活動だと思っている)。
1989年春の山梨県は早川町の旧中学校のグランドから始まったこの活動。瞬く間に全国に広がり、現在までに「地球元気村」を体験した市町村は合わせて90余り。基本は一泊二日のキャンプ生活を通じて、野山の動植物・自然に遊んで学び、その感動や教訓を日常生活に持ち帰って、現代社会における「自然との調和型社会」を模索するのが狙い。

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地球元気村恒例の秋の大根堀りに参加した面々。

そのような誠に志しの高いと言える?崇高な市民活動だが、これも一重にバイクを好きになったばっかりに始まってしまった僕の自然賛歌・崇拝・回帰・畏敬の気分が元となる活動。バイクを駆る→自然を知る社会を知る→そして「地球元気村」の順となっていったのだったが、フタを開けてみた現実は、大変・大変・もう大変。社会貢献活動の厳しさをを身にしみて実感する20有余年となった。

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これがみんなで掘った大根で~す。

さて、そんなわけで、僕が2011年以降、元気村を新たな気分で推し進めていくに当たり、実は今、手元にある秘策がある。それは(ジャ・ジャン・ジャンジャン♪)、土佐・旧物部村に古くから伝わる「いざなぎ流」生き方の術。これを武器に、広く人々に元気村の理念を解ってもらおう!という計画である。
「いざなぎ流」とは現在の高知県の香美市物部町に守り伝えられてきた極めて古い民間信仰(宗教ではない)。陰陽道、修験道、仏教、神道などが混合して成立したと考えられ、太夫と呼ばれる伝道師により伝承され、現在に至っているもの。

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(左)高知県の山また山の奥に「いざなぎ流」の里がある。 (右)こんな石がけの上に家々が点在している。

僕が、ここの太夫さんと最初に出会ったのは10年前に物部村で地球元気村をやっていた頃のこと。この時90才を越える"太夫"のおじいちゃんに「いざなぎ流」の極意を聞いた。それによると、太夫さんは代々「口伝」によってその行為とする祈祷、御幣切りなどの技を弟子に伝え、人々の病を治め、山の神や水の神を鎮める祭り事を行ってきた。その方法は中国4000年の歴史よりもさら~に古く、唐天竺よりも遠いオスマン・トルコの地からも伝わったとさえ言われる長い長い時代と歴史の中で、多くの人々から抽出された「生活の知恵」を今に伝えているもの…と聞いた。しかるに、太夫の口ずさむ口上、御幣の形の一つ一つには、そんな深い意味が込められているとか?要約すると「いざなぎ流」は自然の応用力学にも似た「自然型生活術」。元気村が伝えたい、これからのライフ・スタイルのバイブルなのだ。
この太夫さんに学ぶ「いざなぎ流・祈祷師塾」を、今年の春辺りに地球元気村で開催しようかな?と思っている所。乞うご期待で~す!

(左)旧物部村は、もの凄い急峻な傾斜地に家々が張り付くように建っている。古い家の軒下に座って物思いにふける私。(右)御幣を切って見せてくれた太夫さんの森安正薫さん(63才)。

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写真左から/もっとも一般的なスタンダードの御幣。山を鎮める「山の神」御幣。水を鎮める「水の神」の御幣。何にでも効く「大荒神」の御幣。仲良しになる「和合の神」御幣。

冒険家 風間深志:写真

プロフィール 数々の冒険の傍ら、バイクツーリングクラブ「MAC」のリーダーや、椎名誠氏率いる「いやはや隊」メンバーとして、さらにフィッシングクラブ「FAC」の会長、全国各地での講演や「地球元気村」の開催など、多方面で活動。2008年 WHO承認活動「運動器の10年」世界運動国際親善大使に就任。
*NPO法人「地球元気村」代表
http://www.chikyu-genkimura.com/